就職が内定したら

~卒業までにしておきたい8つの準備~

希望の会社から採用通知を受け取ったら、これで就職決定です。

就職し、社会人になると、これまでとは違う環境での生活が始まります。

会社や仕事内容によってかなり違いはありますが、社会人として求められる基本はどこでも同じ。

働き始めてから戸惑わないように、卒業するまでに出来る【基本の準備】を進めておき、新しい

生活をスタートするのにあたっての心構えについて、考えてみましょう。

    

1.時間を守ることを意識しよう
 社会人になると「時間を守る」ことが今よりももっと大切になります。社会では「時間にルーズな人は人から 信用されない」と考えてください。
  人から信用されなければ、責任を持って仕事をすることなど出来ません。高校を卒業するまでに「時間を守るのは当たり前のこと」として行動できるように意識して生活しましょう。
 働き始めてからは、決められた時間よりも5分程度早めに行動すること、もしも時間に遅れたりする場合は会社に連絡するということ。この2つは必ず守りましょう。無断欠勤・遅刻などは絶対にダメです。

2.自分から進んで学ぶようになろう
 学校を卒業したらもう勉強しなくてよい。」もしそう考えている人がいるとしたらそれは大きな間違いです。
 社会人になると「授業」というカタチでの勉強する機会は無くなるかもしれませんが、仕事に必要な技術や技能を身につけるためには日々勉強は欠かせません。学校のように待っていれば教えてくれる環境ではないので、積極的に学ぼうとする姿勢が大切です。
 高校を卒業するまでの間にも、自分が就くことになる仕事について学べる時間があったら、自分から積極的に取り組むようにしましょう。
 
3.オトナの言葉遣いを練習しよう
 社会人になってから多くの人が大変な思いをするのは「言葉遣い」だと言われています。
 学生時代に話をするのは同年代ばかり、本来は敬語を使うべき先生に対しても友達に対するのと同じような話し方をしていて、敬語がうまく使えないという人も多いのではないでしょうか。学校では許されるラフな言葉遣いも、社会に出ると許されない場面があります。
 年齢の離れた上司やお客様などに対してうまく敬語がつかえないと、後々自分が損をすることもありますから、きちんとした言葉遣いの習慣をつけましよう。

4.挨拶や返事を意識しよう
 朝、職場に行ったら挨拶をする。仕事が終わって帰る時に挨拶をする。何かを教えてもらったら返事をする。
 挨拶や返事は社会人にとって当然のことです。社会に出たら、教えられなくても出来て当たり前だと思われることなので、卒業までに身につけて起きましょう。就職してすぐはなかなか職場に馴染めない人もいるかもしれませんが、挨拶をしっかりすることと、先輩の言うことにしっかり返事することさえ守っていれば、先輩の方から新入社員が馴染みやすいようにと声をかけてくれるはずです。
 
5.生活リズムの変化に備えよう
 会社に勤め始めると、おそらく勤務時間は学校の授業時間よりも長くなるでしょう。
 仕事によっては、働く時間が不規則であったり、遅くまで残業しなければならないこともあるかもしれません。
 生活のリズムを変えることは意外と難しく、新しい生活パターンに慣れるまできっと苦労するでしょう。
 社会人は、仕事に支障がないように自分自身をうまくコントロールすることが求められますから、卒業するまでの間社会人生活に対応できるような規則正しい生活を送るよう心がけましょう。

6.健康管理には自分で責任を持とう
 学生時代は誰かに気を使うことはなく気軽に学校を休めたかもしれませんが、社会人になるとそうはいきません。
 もちろん、体調が悪ければ仕事を休むことは出来ますが、休んだひとの仕事を誰かがフォローしたり、人が足りない分仕事が遅れたり、自分以外の誰かに迷惑がかかることが多いため、簡単には休めなくなってしまうのです。
 体調が悪いのに無理して働くようなことにならないためにも、自分自身の健康には自分で責任が持てるように、健康管理を意識して生活しましょう。
 
7.体力面でも仕事に備えておこう
 学校での授業時間より長い勤務時間。健康管理も含めて求められる自己責任。この2つからもわかるように、社会人にとって「働き続けられる体力」はとても大切です。
 職種によっては、勤務時間のほとんどを立ちっぱなしで過ごすこともあるので、体力に自信のない人は卒業までの間に体を鍛えておくことも必要でしょう。体が疲れてくると気持ちにも影響が出て楽しく働くことが出来なくなってしまうかもしれません。反対に、体力に余裕があれば多少の困難は気にせず乗り越えていけるでしょう。

8.人生の目標を見つけよう
 社会に出れば楽しいことばかりではありません。組織の中で働くという初めての経験には必ず苦労があるでしょう。
 実際に、高校を卒業して就職した人の4人に1人は1年以内に辞めてしまうというデータもあります。しかし、辛いことや苦しいことから逃げていたら、自分を成長させることはできません。はじめは出来なかったことを出来るまでがんばって乗り越える。その「経験」がかけがえのない財産になるのです。辛くなってもあきらめずにがんばり続けるためには「目標」を持つことが大切です。身近な目標で構いません。
 「こうなりたい」「こんなことを身につけていきたい」という、自分を向上させられる人生の目標を見つけてください。
厚生労働省編 「高校生のための就職活動サポートブック」2007年版から引用

就職後の先輩たちの体験談 
 就職して社会人になると、学校生活とはまったく違う環境の中での生活が始まります。
 学校では同年代の集まりであるクラスを中心とした生活となりますが、職場にはいろいろな世代の人たちがいて、同僚・上司・得意先など立場の異なる人々と、その場に応じたつきあい方をしていくことが求められます。
 勤務時間も、一般的には学校で授業がある時間より長く、仕事によっては不規則であったり、残業が必要な場合もあり、また、日曜日が休みとなるとも限りません。
 中でも一番の違いは、給料を支給されることに見合った仕事の成果を期待されることです。
 みなさんの先輩達も、このような立場でいろいろな経験をし、その中で社会人として成長してきました。
 社会人となった先輩達が寄せてくれたメッセージの中から、いくつかの体験談を紹介します。
 先輩達が実社会で感じた体験をぜひ参考にして、これからの就職に向けての心の準備をしておきましょう。


自分に挑戦
 トラックで配達助手をしています。一番キツイことは、労働時間が長いことです。他の職種に就職した友達も同じことを言っています。会社の寮に入っているので、通勤時間はあまりかからないのですが、年末など忙しい時期は、夜帰ってバタンと寝てしまう感じです。
 最初の3日間は「もうやめる!」と思ってばかりでした。でも、仕事に見合った給料はもらっていると思いますし、会社の仲間や先輩達がいい人なので、3ヶ月がまんできたら慣れてきて、今はそんなこと考えなくなりました。
 すぐやめてしまった仲間もいるけど、自分はやめないでがんばることで自信がつきました。うちの会社は、がんばっただけ上に行くことができるので、偉くなりたいとか、そういうんじゃなくて、自分がどこまでできるか挑戦することがおもしろくて、今はいろいろ仕事をおぼえたいです。
 10人ずつでチームを組んで仕事をしているんですけど、一番若いチームリーダーが21歳なので、自分もそれを目標にしています。

言葉づかいをきちんと
 仕事を始めて最初のころ一番大変だったのは、言葉づかいです。
 高校の時、就職するなら言葉づかいをきちんとするように言われましたが、ほんとにその通りでした。お客さんとのやりとりの中で、「マジっすか」といって注意されたりしました。やっとあまり失敗しなくなりましたが、身に付くまで半年ぐらいは苦労しました。
 学校では、先生と友達口調で話すことも多いけど、就職のことを考えたら、気をつけた方がいいと思います。

体をきたえておこう
 アパレル会社の販売職として就職しました。販売の仕事をやりたい人も多いと思いますが、接客だけでなくて、案外力仕事も多いことを知っておくとよいと思います。
 一日のおおまかな流れとしては、朝は朝礼から始まり、新しい商品のパッキングをといて店頭に出したり、入れ替えをしたり、接客の合間にもたたみ直しをしたり、こまごまとした作業があります。
 店のある百貨店が閉まった後、売り上げの確認や商品の点検、整理などで1~2時間ぐらいはかかります。
 休憩時間以外は、朝からずっと立ちっぱなしなので、慣れるまでは足が痛くなることがあります。けっこう体力のいる仕事なので、高校時代にきたえておくといいと思います。

寮生活でがんばってます
 東京にでてきて、寮で暮らしています。高校の時は、就職してお給料をもらったら、好きなものを買って、休みの日にはあちこち遊びに行けると思っていましたが、親元を離れるとけっこう生活面がたいへんです。休みの日も、テレビを見たり、近くに買い物に行く程度のことが多いですね。仕事のことが頭から離れないときもあります。
 家に帰りたくなることもあるけど、そういう時は、自分は何のために東京に出てきたか、最初のころの気持ちを思いだして、がんばろうと思うようにしています。

厚生労働省編 「高校生 就職スタートブック」2007-8年版から引用